フィリップ・ジンバルドーのスタンフォード監獄実験は、如何に人間が社会や制度によって割り当てられた役割に影響を受けやすいかを教えてくれる。
スタンフォード監獄実験とは、コインによって無作為に「看守」と「囚人」の役割が与えられ、共同生活をさせた実験である。
被験者は、24人の中流階級のアメリカの大学生で、看守訳になった人は、自分の特権を利用して、囚人役をイジメたり、品格を貶めるようなゲームまでやらせた。そんな中、囚人役の中には、36時間で泣き叫ぶのを止めず怒りの発作に襲われひどい鬱状態になったものもいた。
この実験から分かる事は、善人でもイデオロギーと承認済みの規制と役割を備えた全面的状況の中に組み込まれると残忍な振る舞いに進んで手を染めると言うことである。
権力を持った地位につけられた人々は自然にその権力を行使し濫用しだすし、服従する立場に置かれた人々は権威に進んで従う。
邪悪な行動へと導くのは本人の気質ではなく社会状況の力と言うことである。
環境が整えば、人を傷つけるような行為でも、良かれ悪しかれ、私たちの誰もが起こしかねない。
現代では、SNSの誹謗中傷や過激なコメントなどが、その例と言えるだろう。環境やツールによって引き起こされる私たちの感情は、私たちの考えを超えて展開しているのかもしれない。
参考: 心理学大図鑑 キャサリン・コーリン
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